職業訓練と自己理解
コートが欠かせない時期になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。Kaien秋葉原サテライトの訓練生です。
今回は私が受けている訓練についてお話しします。
私は今年の8月からKaienの職業訓練に通っています。それまでは大学に通って勉学に励んでいましたが、耳からの情報を得ることが苦手で情報に抜けが出てしまったり、段取りやスケジュール管理が上手く出来ず、重要な書類や課題の存在そのものを忘れてしまうといった日々が続きました。そんな折に広汎性発達障害、注意欠如・多動性障害の診断を受け、Kaienの学生支援プログラム「ガクプロ」の存在を知り、土曜のコースに通い始めました。しかし伝えたいことの言語化も苦手であり、またカウンセリングを受けられる機会も少なかったことから必要な助けを求める事が出来ず、最終的には大学を中退してしまいました。
その後、「自分の弱点を明確化して言語化できるようになりたい」「必要な助けを求められるようになりたい」という思いから、Kaienの就労移行支援に通うことにしました。入所後はまず「Kaienハート」というチームに所属し、PC入力作業を中心とした業務の訓練をすることになりました。初めは伝えたいこと、質問したいことが分からなくなってしまったり、報連相のタイミングをつかむことができず、次の作業に進むことができないまま十数分経ってしまうということもありました。訓練を通して、スタッフの方に話しかけてもいいタイミングを教えて頂いたり、分からないことはまずメモに書き出すなどの工夫をするようになったことで、そのような事も減ったように思います。また、二週間に一度カウンセリングの機会をいただき、そこでスタッフの方とお話をすることで、少しずつ自分の特性を理解できるようになっていると思います。
そして11月から、古書のオンライン販売業務に従事して就業に向けた訓練をする「こしょこしょ」に異動になりました。Kaienに入所した当時から「こしょこしょ」には「いつも訓練生同士で難しそうな話をしてる」というイメージがありついていけるか不安でした。しかしいざ入ってみると、ひとつひとつの作業を丁寧にレクチャーしてくださり、優先順位を決めてから作業に入るため作業にも集中しやすく、そのような不安をすぐになくすことができました。また、上司とのマンツーマンでのやり取りが基本だった「Kaienハート」とは違い、「こしょこしょ」では訓練生同士でのやり取りが基本になるため、お互いの距離感も近く質問しやすい環境にあり、以前よりもタイミングを気にしたり抵抗感を感じることなく報連相が出来、スムーズに業務を行うことができるようになっていると思います。
「こしょこしょ」に配属になってまだ一か月、慣れないことも戸惑うこともまだまだ多いですが、非常に充実した日々を送っています。訓練で自分自身のこと、今の自分には何が必要なのかを理解し、必要な助けを求める事ができるようになりつつあるという自信が生まれてきたことが大きいのだと思います。
今の目標は、自分自身の得意を活かせるような会社に就職し、今のように充実した日々を安定して送れるようになることです。そのために今の訓練で自分の役割を果たし、働き方や自分自身のことをしっかりと学び、就職先でも通用するレベルになれるように努力していきたいです。