訓練を通じ、働く大切さを学びたい

ようやく猛暑の季節が去り、秋分の日も近づいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は2018年6月より、カイエン秋葉原サテライトに所属している訓練生です。

 

私の所属しているチーム「こしょこしょあきはばら」では、寄贈していただいた本をアマゾンに出品し、オンラインショップ (Amazon) で販売しています。

具体的には、まず本を「クリーニング」し、次に「検品登録」という作業によって、本に傷などがないかを丁寧に調べ、「商品マスタ」というデータベースに、本のタイトルや著者名、サイズや重さ、劣化の状態などを登録します。その後、本の値段を設定し、アマゾンに「出品」します。本の注文が入りましたら、注文の入った本を「梱包」し、「発送」します。

 

訓練開始から2か月余り経過したところで、私自身が気づいたことについて述べたいと思います。

訓練が始まったばかりの頃は、先輩の訓練生にいろいろとアドバイスをいただきながら、上記の業務を一つ一つこなしていきました。最初は、自分の担当する業務に対して、なぜこのような仕事をする必要があるのか、自分の行っている仕事が全体の中でどのような役割を持っているのか、などといったことがよく理解できず、仕事内容を覚えるのにとても苦労した記憶が残っています。

例えば、検品登録の際、本の縦、横、高さ、重さを測り、商品マスタに登録しますが、最初のうちは何のために本のサイズや重さをデータベースに登録するのか、意味がよくわかりませんでした。

ところが、訓練を重ね、様々な業務をこなすようになるにつれ、一つ一つの仕事の役割やその重要性が理解できるようになっていきました。先ほどの、本のサイズや重さをデータベースに登録する作業については、そのデータに基づいて、出品の際の値段や発送方法が自動的に算出される仕組みが出来上がっていることが分かったのです。最初のうちは、ただマニュアルに従って機械的に仕事をこなしていましたが、全体のつながりを理解できるようになった時には非常に感動したものです。

 

また、オンラインショップの運営という業務を体験することにより、身の回りの物に対する見方も一変しました。

例えば、子供の頃から見ているテレビアニメについてですが、今まではアニメの番組を見ても、せいぜい「面白かった」「つまらなかった」程度の感想しか持ちませんでした。ところが、自分が実際に仕事をするようになると、アニメという一つの作品が出来上がるまでに、誰が、どのような仕事をしているのか、といったことに興味が湧いてきました。そして、たくさんの人たちの努力によって一つのアニメの作品が完成し、アニメを視聴できることの素晴らしさを、改めて実感したのです。

今後は、今まで何気なく使用してきた、自分の身の回りにある物についても、それが出来上がるまでに、どのような仕事が存在しているのか、どのくらいたくさんの人が働いているのか、などといったことに興味を持ち、働くことの大切さ、働いている人を尊重する心を養っていきたいと思っています。