こしょてん、おススメの時代小説2冊
Kaien大阪天六4月のブログ担当者です。日増しに暖かくなり、読書がはかどる季節になってまいりました。そこで、今回は皆様に2冊の時代小説をご紹介いたします。
●包丁浪人 芦川淳一
文政元年(1818)、浪々の身の刀根(とね)新三郎は、魚屋の帆吉を相手に料理を出していた。近所の女たちは、浪人とはいえ侍の新三郎の過去に興味津々である。
新三郎の剣の腕は本物である。空に放り投げた大根を一瞬で何枚にも輪切りにするほどで、そんな見事な剣の腕を持ちながら、なぜ長屋で料理ばかりに精をだしているのだろうか?新三郎と仲間の紋太らが、読者の知識欲も食欲もそそる新シリーズ第一弾!
…この時代小説では、息詰まる戦いの随所に、料理が登場する。その描写は細かく、丁寧で、作者の芦川淳一氏が、各料理をよく“知って”書かれていることがひしひしと伝わってくる。思わず本から良い匂いがしてきそうな、時代小説の新境地を拓いた名作。
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●黒衣忍び人―邪忍の旗 和久田正明
戦国の世も終わり、時代は第三代将軍家光の世。平和を取り戻しつつある時代にあっても、闇に生きる忍びたちは、いまだ存在し続けていた。
徳川への恨みを果たさんとする風魔一族、それを阻止せんとする主人公・狼炎隼人(のろし はやと)ら透破(すっぱ)忍たち。
風魔一族の小頭、赤不動の意外な正体、さらには柳生一族もでてきて…⁉
忍び人の運命から目を背けずに、力強く懸命に生きる男たちの生きざまを和久田正明が鮮烈に描く!
…こちらの時代小説は、まさに王道の趣向を醸し出している。それ故に、胸に迫ってくる描写も鋭く、最後まで読者を飽きさせない。人と人との絆が希薄になっている今こそ、ぜひ読んで欲しい1冊です。
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時代小説を改めて読み返してみて、本はタイムマシンだと改めて感じました。活字を通して、様々な時代に行ける。それだけの力が、本にはあります。さあ、本を読みましょう。