【COMING SOON】今月のイチオシ!

こんにちは! こしょこしょ新宿の訓練生です!
今回のブログでは、当店が新しく出品する中でもイチオシの2冊をご紹介させていただこうと思います。
実はブログの担当は初めてなので、拙文になるとは思いますが、どうかおつき合いください。
『死神の精度』伊坂幸太郎 文春文庫
2008年2月10日 初版 2013年7月25日 第21刷
①音楽が大好きで、
②名前が地名で、
③話しているとたまにトンチンカンな答えが返ってきて、
④他人に触るのをすごく嫌がる、
こんな人が身近にいたら死神かもしれない。
死期が近い人間の身辺調査を行う死神の「千葉」の視点で描かれた、心にしみる6編の物語が収録されています。
お仕事日記の体をとった短編集は、他人の人生をのぞき見しているかのような面白さがあります。なにしろ千葉は死神なので、人間世界の見方も独特。
「一生懸命に仕事をしているにもかかわらず、『面白い』などと言われるのは、心外だ」(p.58)
「『表現が抽象的だな』こういう表現でコミュニケーションが成り立つのだから、人間というのは珍妙だ」(p.69)
「どうして人間は、何かと言うと同意を求めてくるのだ」(p.85)
「人間が作ったもので一番素晴らしいのはミュージックで、もっとも醜いのは、渋滞だ」(p.167)
(出典:『死神の精度』伊坂幸太郎 文春文庫 2008年2月10日 初版 2013年7月25日 第21刷)
いずれも彼が言わないと意味のない言葉だと思います。
人に言われたことや周囲の状況をそのまま受け止めてしまう千葉の性格は、Kaienの利用者にも多くいるハンディキャッパーに通じるものがあります。彼らにしか分からない憤りや、彼らの楽しみにぜひとも思いをはせていただければと思います。
『マリアビートル』(映画『ブレット・トレイン』原作)や『ゴールデンスランバー』を著した作者の名作短編集でした。
『イニシエーション・ラブ』乾くるみ 文春文庫
2007年4月10日 初版 2015年5月15日
『A-side』主人公は、友達に数合わせで呼ばれた合コンで目が引き寄せられる女性に出会う。やがてふたりの仲は進展していき……
『B-side』社会人になった主人公。会社の辞令で転勤することになってしまい、彼女と遠距離恋愛に。さらにそこには魅力的な女性がいて……
よくある退屈なラブストーリーと思って、適当に読み飛ばしてはいけません。「最後の2行ですべてがひっくり返る」「先読み厳禁」と話題になり、映画化もされた一冊です。
最近は少し昔の文化が再評価される向きがあるので、若い方でもカセットテープを知っているでしょうか? 本作は裏返して聴くカセットのA面とB面のように、全体が前半と後半ではっきり内容が分かれています。各章が歌の名前になっているのがオシャレ。
ワインのように、人生経験を積んで読み直すほど深い味わいになる一冊でもあります。
本作は『タロットカードシリーズ』(この本のテーマは『恋人』)という作品群のひとつでもあり、『セカンド・ラブ』『塔の断章』など、シリーズのほかの作品に手を出してみるのもいいかもしれません。
私たちは普段、親切な方々からご提供いただいた本をマニュアルに沿って丁寧にクリーニングし、それを本当に必要な方に提供することを心がけて活動しています。
あくまで職業訓練の一環ではありますが、それでも自分たちを通した商品がだれかに届くのは嬉しい。安価な本も多数取り扱っているので、見るだけでもどうぞサイトにおいでください。
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こしょこしょ新宿でした!