クリスマスの絵本はいかが?
こんにちは、Kaien新宿の訓練生です。今年もあとわずかになって参りましたが如何お過ごしでしょうか?
12月の一大イベントと言えばクリスマス!そこでこしょこしょしんじゅくで出品している絵本から3冊とっておきの絵本を紹介させて頂きます。
サンタ・クロースからの手紙
作: J.R.R.トールキン
訳: 瀬田 貞二 田中 明子
まず1冊目はこちら『サンタクロースからの手紙』です。
実際に著者自身の家に20年に渡って毎年送られたという手紙達、そこで語られるのは北極でのサンタの生活や助手である北極熊によるトラブルの数々…
文献学者としての顔もあったトールキン、代表作の『指輪物語』ではエルフやドワーフの言語や文字体系をすべて創作した事で有名ですが、本作でもサンタクロースの筆跡を直筆の手紙で再現しており「寒くて手紙を書く手も震えてしまう」といった状況や秘書であるエルフの筆致など、物語が込められた手紙達には何度でも読み返したくなる魅力があります。
現在とは一味ちがう手書きの文化や、サンタとホッキョクグマの厳しくも微笑ましい生活など、想像力を刺激される一冊です。
ティリーのクリスマス
作: フェイス・ジェイクス
訳: 小林 いづみ
次に紹介するのはこちら『ティリーのクリスマス』です。
主人公はドールハウスに暮らす人形のティリー、共にクリスマスを祝うはずだった友人、テディベアのエドワードが行方不明に、彼の身を案じたティリーは街に出かけるのですが…
人形であるティリー目線で見るクリスマスの雑踏は危険だらけ、そんなアクシデントを人形としてどのように対応していくかが緻密に表現されたイラストは一枚一枚ずっと眺めていたくなる繊細さです。著者は「チャーリーとチョコレート工場」の初版本の挿絵も手掛けた挿絵画家として長年活躍した方で お子様だけでなく、アンティーク好きの方にもおすすめな一冊となっております。
ゆうびんうさぎとしろくまサンタ
作: 木暮 正夫
絵: 黒井 健
最後にお勧めするのはこちら『ゆうびんうさぎとしろくまサンタ』です。
動物たちが暮らす世界、ふたつやま郵便局にもクリスマスがやってきました。そこで働くゆうびんうさぎさんはクリスマスにプレゼントをもらったことがないと言う子供オオカミのためにプレゼントを届けてあげようとするのですが…
擬音の楽しさが光るユーモラスな文章と、優しさに溢れるイラストが印象的ですが、ストーリー自体は一捻り効いた展開があり楽しく読める一冊です。
作画担当の黒井健さんは『ごん狐』や『手袋を買いに』等の作画も担当し、その柔らかな色鉛筆画は大人も子供も何処かで目にする機会がある筈…絵本を読み慣れた方にもお楽しみ頂けると思います。
今回の絵本はクリスマスというイベントを多くの子供たちが体験するであろう「与えられる側」としての目線だけでなく「与える側」としての目線での進行が印象的でした。他者の事を思いやれる気持ちや誰かを幸せにしたい輝きに触れる事ができる絵本たちだと思います。
こしょこしょ新宿ではその他にも多種多様な書籍を取り扱っております。大人も子供もこの機会に新しいワクワクを探してみるのはいかがでしょうか?