発達障害×お金 お悩みにお答えします!  ~第2回 お金のハッタツ百科事典~

このセミナーでは、発達障害に関わりの深い3名にご登壇いただき、発達障害とお金に関するお悩みにお答えいただきました。障害年金や福祉サービスの情報など、福祉を利用したいけど良くわからない…という方にとって有益な情報が満載です。

 

■今回のご意見番
  • 宮原秀樹さん(FP1級技能士/国家資格キャリアコンサルタント/社団法人 異才ネットワーク 大人の発達凸凹の会)
  • ドクターX 伊原さん(医師/当事者家族)
  • 八角令子(株式会社Kaien 相談支援専門員)

 

■ケース1 青年当事者の親(50代男性)の場合

 「一人暮らしの息子は、新卒1年で仕事が上手くいかずに転職活動中です。子供の頃に広汎性発達障害の診断を受けていますが、障害年金を貰えますか?貰えるとしたらいくらですか?」

 

 伊原さん:転職がうまくいかなかったり、再就職先で配慮を受けずに仕事がこなせないという場合は、貰える可能性があります。年金を貰えるとしたら、この方は3歳で診断されている”二十歳前障害”で厚生年金に入っていないので、障害基礎年金で78万円かと思われます。

 

 八角:発達障害を持っていて、鬱や適応障害だと年金を貰えることもあります。年金の申請は記入する項目が多く、診断書にも記載してもらう為、医療とうまく連携をとっていくことが大事です。

 

■ケース2 成年当事者(40代女性)の場合

「ADHDで転職経験が沢山あります。体調を崩し精神科に通い服薬しています。長期療養に入る前にお金の工面をどうすればいいでしょうか?家族に頼れる人は居ません。」

 

 八角:長年精神科に通院しているのなら、障害者手帳を申請するのが良いと思います。今働いているのであれば、傷病手当や雇用保険を受け取る手続きをした方が良いと思います。生活保護も視野に入れてお休みするのも最終手段としてあります。

 

■Q&A

 質問:困ったとき相談窓口はどこに行ったらいいですか?

 

 八角:精神福祉に関する相談は、各地域の「地域活動支援センター」。お金の相談は、自治体の「生活困窮者自立支援制度窓口」に行くのが良いと思います。

 

 伊原さん:地域の窓口になっている「社会福祉協議会」は、区役所など必要な所に繋いでくれるので、一番敷居が低いと思います。

 

■最後に

 伊原さん:年金申請は、同じ状況でも通る人と通らない人がいます。年金申請は事前の準備が大事です。自助会や親の会などで話を聞き、申請時に自分の状況を説明できるようにすることが重要です。

 

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いかがでしたでしょうか。

 

 他にも、「年金申請の初診日認定はどこの病院でもらえばいい?」「年金申請時の初診日は申請者が選べる?」「障害者手帳にデメリットはあるの?」など様々な質問にお答えいただいています。

 

 その様子は、ぜひ動画フルバージョンをご覧ください。

 

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質問1:発達障害者にとって公営住宅を利用することのメリットは何でしょうか?
  • 伊原さん

これについては3つメリットがあり、

  1. 入居資格の当選率が一般の人と比べて高くなりやすいこと、
  2. 入居の際に国が定めた月収ラインの上限が上がる可能性があること、
  3. 住居使用料を減額できる可能性があることです。

 

  • 八角さん

公営住宅のシステムは自治体によって異なっていて、例えば障害の程度によって利用の当選倍率が変わるところがあります。もしこれらの制度を利用したい場合は、各自治体の障害福祉課など担当の部署に尋ねてみるのが良いかと思います。

 

質問2:親がいなくなった後の住まいで、それまでに準備しておきたいことはありますか?
  • 伊原さん

まず大事なことは「子供に選ばさせること・どうするかを決定させること」です。「お金の管理が難しいから」と周りの人がついつい決めてしまいがちですが、子供たちの将来を決めるのは子供自身です。たとえ失敗しても一度やらせてみるのはいかがでしょうか。その際、子供に実際に色々な形の住み方(例えば一人暮らしやグループホーム)を体験させ、その上で判断させるのが良いのではと思います。

 

質問3:発達障害者はローンを組めないというのは本当でしょうか?
  • 宮原さん

ローンに加入する際は原則「団体信用生命保険(通称”団信”)」に加入して、万一ローンの借主が亡くなっても残ったローンを返済できるようなシステムとなっています。その際、発達障害者であること自体は査定に大きな影響はありませんが、例えば薬物医療など服薬をしている場合は査定が厳しくなり、ローンを借りるのが難しくなりますので注意してください。

 

質問4:住居など支援を受ける際に参考になるサイトはありますか?
  • 伊原さん

厚生労働省が発行している「発達障害ナビポータル(https://hattatsu.go.jp/)」などがあります。ぜひ確認してみて下さい。

 

いかがでしたでしょうか。

 

他にも「両親との関係が厳しい場合の住宅の探し方」や「グループホームの長所と短所」など、様々な質問に答えていただいています。

 

その様子は、ぜひ動画フルバージョンをご覧ください。

 

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