商品紹介~小説から入る哲学の世界~『実存主義』

皆さま、こんにちは。Kaien秋葉原サテライトの訓練生です。

日差しは暖かく桜の花も咲き、季節はいよいよ春を迎えましたね。季節の移り変わりと共に、流行り病も過ぎ去ってくれる事を切に願っております。

今回は、こしょこしょあきはばらにて出品している作品の中から、「人間の存在とはどういうものだろう」という観点から選んだ海外の作品を2点、ご紹介させていただきます。

『変身』フランツ・カフカ:著 高橋義孝:訳 (新潮文庫)1952年

内容紹介

言わずと知れた、フランツ・カフカの作品の中でも大変有名な『変身』という作品です。この小説は、主人公であるグレゴールという男性の一人称視点で物語が進んでゆきます。ある朝、目が覚めたら、自分が巨大な昆虫に変わってしまっていた…。そして、それを見た彼の家族もまた、彼を一人の息子から、次第に、化け物扱いするようになっていってしまいます。グレゴールとその家族の「心情の変化」が物語のキーポイントとなるドイツの文学作品です。この作品がドイツで執筆されたのは1912-1915年、第一次世界大戦後です。当時のドイツは戦後の混乱の最中にあり、この作品にもそういった背景、人々の精神的な疲弊といったものが、極めてシンプルに感じ取れる作品となっていると思います。物語としても面白く、また、こちらの文庫では全120ページほどの中編小説であるため、非常に読みやすい一品となっております。

こしょこしょあきはばらでは、本書をAmazonにて販売中です。電子書籍も良いですが、紙の本を手に取って歴史を感じながら読んでみてはいかがでしょうか。

『不安の概念』セイレン・キェルケゴール:著 斎藤信治:訳(岩波文庫)1951年

内容紹介

こちらは哲学の分野に入る作品です。1844 年に刊行された、キェルケゴールの作品の前期を代表するものです。キェルケゴールと言いますと「死に至る病」がまず頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。本書はそれよりも前の作品でありながら、後に高評価を得る「死に至る病」と並ぶ、哲学者キェルケゴールの重要な作品だとされています。内容はやや難解ではありますが、この作品の主題は、不安についての心理学研究と罪についての教義的考察です。ここで本作での名言を一つご紹介いたします。

―不安とは、自由に対するめまいであるー

セイレン・キェルケゴール 『不安の概念』 斎藤信治 訳 岩波文庫 1951年

キェルケゴールは不安とは可能性に先だつ自由の現実性だと論じています。人間は、絶え間なく未来に向かって自己を形成してゆきますが、その未来はいまだ実現されていない可能性であるため、現実は自由であり、人間はこのような自由を前にたじろがざるを得ない…。そして、その感情こそが「不安」である、と定義しています。このような哲学思想は『実存主義』と呼ばれ、このキェルケゴールの作品は後に、先ほど紹介したカフカやドストエフスキーなど多くの後の文豪とされる作家に多大な影響を与えました。

こしょこしょあきはばらでは、本書の昭和に出版された旧版をAmazonにて出品中です。新装版もキレイで良いですが、旧版の本書で当時に思いを巡らせながら、人間の「不安」を解き明かそうとしたキェルケゴールの哲学に触れてみてはいかがでしょうか。

こしょこしょあきはばらでは他にも小説や漫画など、多数の書籍を取り扱っております。

是非、合わせてご注文頂ければと思います。

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