Kaienオンライン店舗業務を通して私が考えたこと

 私は2018年10月からKaien訓練生として主にオンライン店舗業務で古本を販売する訓練を行っています。その中で私が考えていることを綴ってみようと思います。

 私を含めた発達障害者の特徴として、よく挙げられるのが「暗黙の了解が察せられない・空気を読むのが苦手」ということがあると思います。実際私は以前働いていた職場での失敗体験から、自分自身にもその特徴が当てはまると感じていたので、Kaienの訓練でも気を付けようと思っています。

 例えばこんなことがあります。古本の販売過程では商品が売り物になるか、なるとしてもどのようなコンディションかということをチェックするために、本の表紙・カバー・上下左右などを入念にチェックしないといけません。ただしやみくもにチェックすればいいのではなく、甘すぎても厳しすぎてもいけないのです。チェックが甘すぎるとクレームの原因になる一方で、厳しすぎると出荷に時間が掛かりすぎたり、他店で普通に売っている本を廃棄してしまったりするからです。

 私は幸か不幸かこの手の業務工程の意味を考えすぎるタイプらしく、仕事をしていると様々な疑問点が浮かんできます。以前の私でしたら、このような考えが思い浮かんだ時点で誰かに感想を言ったり提案をしていたと思いますが、現在では「作業工程がすべて習得できるまで、あるいはそれなりの勤続年数を経て立場が上になるまで、提案などは避けたほうがよい」という職場における「暗黙の了解」があり、これは「社会人のマナー・コミュニケーション能力」とも言い換えることができると思っていたので、訓練の場で自分の行動を抑制することができました。  もちろん新参メンバーの積極的な提案活動が認められる会社や団体もあるでしょうが、私がこれから就くであろう業務補助的なポジションでは、そのような行動は慎んだほうがいいと思います。それを学ぶのも訓練の目的であり、とにかく収入を得て自立するには必要なことだと考えています。