私とKaien(カイエン)
皆様は「カイエン」と聞いて、なにを連想されますか?
坂本龍馬の海援隊でしょうか。あるいは有名な音楽バンドでしょうか。
…私は、真っ先に自分の居場所を連想します。
Kaienとは、発達障害(ASD,ADHDなど)と診断された人、またはその可能性がある人を対象とした、就労移行支援、訓練やアドバイスを行う場所です。私もそのKaienで日々、訓練を受けている訓練生の一人です。
●孤独
発達障害の診断を受けた人は、「失敗経験しかない。」「自分なんてどうせダメ人間だし…。」などと自分に対してマイナスのイメージを持っているケースが少なくありません。かくいう私も、多くの失敗経験を持つひとりです。学校では他の生徒のなかで、どうしても浮いてしまっていじめられるし、社会に出たら業務内容が覚えられずに上司から叱責されてばかり。当然ながら、他の従業員のなかまたちは、とばっちりを受けたくないので、ますます離れていきます。気が付けば、学校でも、大人になって働き始めても、私は周囲から孤立無援の状態でした。
●衝撃
そんなとき、偶然Kaienの説明会の情報を知り、出かけました。その説明会で驚いたのはスライドショーを見た時です。こう書かれていました。
「発達障害の魅力」
この時、私の中で、考え方が音を立てて変わった気がします。
「ここなら、もしかして」心に淡い希望の光が宿りました。
●躍動
望みをかけてKaienに入った私は、様々な講座、訓練を通じて、社会の中での自分の居場所をKaienに見出しました。例えば、講座では次のようなものがあります。
メモの取り方、電話対応、仕事の段取り、相手の暗示を正確に理解する練習などといった発達障害の人が苦手とするものから、タイピング練習、面接のコツ、データ入力・・・本当に様々です。
なにより、多くの仲間に出会えたことが私の自信につながりました。
もし、あなたの身近に発達障害で困っている方がいたら、その時は、一度Kaienの存在を思い出してください。私たちと一緒に活動することで、その方本来の輝きが取り戻せるかもしれません。