わたしの好きな2冊

日々様々な訓練を経てチームとしての行動や”ホウレンソウ”を覚え始めてきました。

そしてついにブログを担当することになりましたので、今回は私の好きな2冊の本の紹介をします。

 

『町長選挙  奥田朗著 文春文庫 2009年出版 』

本作は奥田英朗(おくだ ひでお)の代表作、伊良部先生シリーズの一つであり、各話完結で楽しめるコミカルな短編で安心して読めますが、独特な切り口が光ります。

毎回人知れず葛藤を抱えた様々な人の視点で始まり、ちょっと変わった精神科の医師、伊良部先生と出会う事で最初は困惑しつつもそれを乗り越えるきっかけを見つける、というです

まずそれぞれのキャラクターが変わっています。マスコミに叩かれる会長、頭の切れるIT経営者、カリスマ女優、堅実な公務員とそれぞれ世間的には強者とされ、あまり同情されにくい顔ぶれなのです

そんな彼ら器用貧乏というか、優れた能力を持つがに、人知れぬ悩みをかかえていたりするものです。頭が良すぎたり、先が読めすぎたり、期待に応えるのがうますぎたり…

伊良部先生風に言えば、公道でハンドルに遊びがないレースカーを運転するような危うさがありますが、そこに伊良部先生はやわらかいが柔軟なゴム毬のような強さに気づかせてくれるのです…。

テーマは重くなりがちなくらいリアルなのにそれを感じさせないタッチや、自分で答えを見つけていく過程は読んでスッキリ、癒やされます。

他者と上手にやっていくために、自分から変わろう!態度を変えてもいいじゃないかっていうメッセージがそれぞれの作品にある様な気がします。

また主体の装丁がとても素敵ですので、あなたの本棚を彩ってくれるでしょう。

 

『変身(新潮文庫/フランツ・カフカ)』

次はダークな変身譚を生んだ奇才、カフカの『変身』を選んでみました。 本作は不条理のメタファー、あるいは社会的孤立のブラックコメディだと思います。

主人公は両親の借金を返しながら家族と生活し、無理をしてきた旅回りのセールスマン、グレゴールです。

物語は仕事の営業で朝寝坊してしまい、さらに虫に変身するところから始まります。

この衝撃的な始まりからシュールで奇妙な視点の文体が続き、最後まで飽きさせません。

作者カフカは表紙に虫の挿絵を入れることを禁じたという逸話をききます。

そこから考えたのですが主題は「虫」ではなく、「変身」です。というのも、「変身」しているのは実は状況に無自覚な家族たちで、
グレゴールが虫になったことをきっかけに借金に向き合い、節約をして一致団結、家計を支えている立場の逆転が起こっている事は見逃せません。

本作を家庭の経済状況や家族の変化にも注意して読んでみると面白いかもしれません。

ハッピーエンドにも悲劇の結末にも捉えられる奇抜な物語の最後のページを閉じたとき、独特な余韻が残るでしょう。

どこかニヒルでナイーブな匂いがする本作には様々な解釈があるので、それらを調べてみるのも楽しいと思います。

また本書は100ページちょっとと短いので読みやすいかと思います。その気になれば一日で読み終わるでしょう。

 

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