就活体験記

はじめまして、こんにちは。
この度2024年10月を持ちましてKaienを終了することになりました。
講師、スタッフ、訓練生の皆様には大変お世話になりました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
残り1ヶ月を切った中(本記事を作成しているのが10月中旬)
少しでも他の方の就職活動の参考になればと思い、本記事を投稿させていただくことにしました。
Kaienで行ってきたこと、心掛けていたことが就職活動(主に実習)でどのように活かされたかをいくつかまとめました。
※あくまで自身の就職活動を振り返って、といった内容です。私自身も全て最初からできていたということはなく、
徐々にといった内容もありますのでできていない、できそうにないからといって落ち込むことはありません。
1.障害・性格など
Kaien利用期間 | 約1年(Kaien大阪天六) |
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就活を始めるまで要した期間 | 約4か月 |
障害名 | 自閉症スペクトラム3級 |
性格 | ・自分が目についた部分があったら気が済むまで突き詰めてしまうことがある ・表情、仕草などから心境、状態を読みづらい(誤解を与えてしまうことも) ・音(特に雑音)、匂い、視界、振動などに対して自分が気に入らないと感じるものが嫌(過敏とまではいってないと思う) ・・・等々 |
最終学歴 | 理工系の大学院を修了 |
職歴 | 2社(どちらも技術系、一般雇用) |
求人への応募数 | 5社(採用:1 不採用:4) |
内定先 | コンサルティング会社 |
業務内容 | 事務全般 |
※過去うつと診断された経験あり
2.Kaienでの訓練、普段から心掛けていた(心掛けるようになった)こと
2-1.作業計画・日報の作成
毎日開始時に作業計画を、終了時に日報を提出していると思います。
ここでコピー&ペースト、IT関連に知見があればスクリプトなどを組んで自動化している人も多いと思いますし、
実際自分自身もGASを作成しています。
しかしながら、上記の方法を使ってコピー元と同じ内容を誤って送信してしまうことを経験したことがあるかと思います。
私も経験ありますしミスを非難したいとかではなくて、
日報で日々の感想も過去のものを流用すると、読んだ相手からするとどういった一日を過ごしたか伝わらなくなってしまいます。
「毎日何か学びがないといけない、そのことを感想に書かなければならない」、などと言う気は一切ないです。
たまには息抜きのような雑談的な感想を書くのもありだと思います。
ですが誤送信や手を抜きすぎたメールを送っていると、例えば送信相手に誤った印象を与えてしまう、
振り返りなどの際に苦労することがあるかもしれません。
今回採用された就職先では実習の最終日に振り返りがあることがスケジュールとして組まれていたため、
「〇〇が原因で〇〇が順調にできました」、「普段はできているのですが〇〇が原因で〇〇ができませんでした」
といったことを振り返りで自然に伝えることができた(特に原因の自己分析)のは大きかったと思います。
2-2.休憩の重要性
職場内の空気に呑まれて昼休みなど決められた時間以外での休憩を取れない、
つい集中しすぎて休憩を取っていないことがあるかもしれません。
前者はともかく、後者のパターンになりがちな場合は気を付けた方が良いかもしれません。
Kaienに通所中、実習を3社(内1社が採用先)受けましたが、どの実習でも昼休み以外の休憩は自由に取って良いと言われました。
一見休憩したいと言いづらいように思えてしまいますが、就業時間は長く(私の場合は8h、間に昼休みを挟む)
この間ずっと仕事をし続けていると、心身への負担は相当なものになるかもしれません。
1、2日くらいなら平気かもしれませんが、これを平日5日連続、土日の休日が終わるとまた平日5日が始まります。
自身の体調や体力を考慮して休憩は適宜取り、安定した勤怠や業務効率を長期的に実現する方が周囲からも喜ばれると思います。
実際に実習中に休憩したい時は自己申告していました。嫌な顔をされるといったことは全くなく、
むしろその方が好印象を持たれていたとすら感じました。
また、右に倣えというわけではないかもしれませんが、適度に息抜きする人がいると自分も休憩して良いと安心感を与えるかもしれません。
出勤時間に来て退勤時間に帰るだけでは、記録上では勤怠が安定している、自己の体調管理ができているということになりますが、
そこだけに注目するのは危険だと感じました。
2-3.ITスキル関連の訓練で役に立ったこと
今回の採用先での職種は事務全般ということもあり、ITに関する知見が絶対的なアドバンテージがあったとは感じませんでした。
ではITスキル関連の訓練が全く活きなかったかと聞かれると役に立ったと思っています。
現在、PCが一人一台貸与されているケースが非常に多く、文書作成にはOfficeを使うことが多いです。
ITスキルに知見があればここで文書作成だけでなく関数やマクロ、VBAを連想すると思います。
実習の課題でこれらの技術を使用する機会はありませんでしたが、
実習時に使用した作業用のExcelファイルのセルに入力規則が設定されてセルの色が変わったり、
セルの入力規則が残っていたようなことがありました。
Excelを普段から用いていると、こういった状況になったとしても慌てることなく対処することができます。
2-4.PCスキル・資格に関して
上記の通り職種は事務全般ですが、IT関連にも関わりが深い企業ということで面接で触れられました。
(履歴書、職務経歴書にも記入しているので確認の意味合いが強め)
回答としては基本情報技術者試験の資格を持っているという簡素な回答で済ませることができました。
IT関連にも関わりが深い企業ですが面接官(人事部の方)までITスキルが高いとは限りません。
もし、この時に詳細なスキル(開発環境、言語など)を並べたところで、
相手はそれがどの程度のレベルか判断できないかもしれません。
したがって、資格を所持していることを伝えるだけで会話が成立します。
ただし、資格の取得はあくまで手段で目的ではないことは注意したほうがいいかもしれません。
求人先で活かせない資格を取得してもアドバンテージになりにくい可能性があるし
(ただし相手目線ではどのように見られるかは未知数ですが)
タイピング練習に関しては取り組むことはなかったです。
(ただし実習でも入力速度は見られてて、過去実習を受けた人の平均値は超えてました)
資格の取得やタイピング速度を上げることを間違いとは思いませんが、
就職活動のためになるかはしっかりと理解しておくべきだと思います。
2-5.「できる=〇、できない=×」という考えを捨てる
これはほぼタイトル通りです。
日々の報連相などできていない、もしくはできなかったことを隠したり見栄を張ってしまった経験があるかもしれません。
確かにできましたという報告の方が達成感はあるでしょうし、相手にも喜ばれるかもしれません。
ですが、できない(できなかった)ことまでできたことにしてしまうと、後で話が食い違ってしまったり、
トラブルの元になってしまうかもしれません。
できなかったことはしっかりと伝えることと、そこからどうするかの方が重要だということを訓練で見直してきました。
3.コミュニケーションについて
コミュニケーションもKaienの日々の訓練の中で様々なことを学んできましたが、これについてはセクションを分けて記載することにしました。
どのような業種、職種に就いたとしても他人との関わりをゼロにすることはできないと思います。
他人と会話するときに緊張したり口数が少なくなってしまうことは悪いことではありません。
私自身も緊張感ゼロで会話できる場面は稀だと感じています。
うまくコミュニケーションが取れなくて悩んでいるなら、まず講師やスタッフと軽く一言二言会話を交わすことから慣れていけば十分だと思います。
そこから少しずつコミュニケーションの時間を増やす、相手の反応を見てみる、といったようなコミュニケーションの幅を広げていけば良いと思います。
ただ、同じような悩みを抱えている可能性がある訓練生が相手の時は、無理にコミュニケーションを成立させようとすると、かえって行き違いなどが発生するかもしれません。
そのような時は講師、スタッフなどが間を取り持ってくれるグループワーク、土曜セッションなどに参加することを検討してみると良いかもしれません。
また、2-5で触れたように悪い内容を伝えるのも立派なコミュニケーションと言えます。
悪い内容を伝えるのはとてもしんどいことですが、避けては通れないのでこれを機に見直してみると良いでしょう。
場数を踏むことで自身の得意なコミュニケーションの取り方、苦手なコミュニケーションの取り方がわかってくると思います。
このことが自己特性の理解や自己対策、求人の選定や企業からの配慮が明確になっていくでしょう。
4.最後に
Kaienの中での日常的な行動や何気ない行動、ちょっとした考え方を変えることがどのように就職活動に活きたか、
特に効果が大きかったものを集めてみました。
就職活動に二の足を踏んだり立ち止まってしまっても、普段の訓練でできることはたくさんあると思います。
ただ、その中でも自身の体調は大事にしておくべきです。無理にあれこれやろうとするのではなく、
少しずつでも十分だと思うし行き詰ったら周囲に相談していけば良いと思います。