就活体験記 就労未経験からデザイナー職への挑戦 ~前編~

Kaien_就活体験記

 

はじめまして!ブログチームに所属していたKと申します。

この度、第一志望の企業にデザイナー職として内定が決まり、今月でKaienを修了することになりました。
経歴が大学中退かつ就労未経験の私が、なぜデザイナーとして内定をいただくことができたのか。
自分なりに「ここを評価していただいたのではないか」と思っていることをお伝えしたいと思います。


自己紹介

主な困りごと:聴覚過敏、見通しがつかないと不安になりやすい、過集中
性格:様々なことに興味を持ち、一度興味を持つと納得がいくまで徹底的に突き詰める
内定先:特例子会社のクリエイティブ課
職務内容:バナー制作、LP制作など

はじめに

約2ヶ月前から就活を始め、2社に応募し、どちらも内定をいただきました。
応募したのは社内エンジニアとWebデザイナーの求人で、いずれもクリエイティブ職でした。
私が就職活動を通じて大切だと感じたことは以下の5点です。

  1. 「障害理解」が最も重要で、それが就職活動の土台となること
  2. 「自己理解」を深め、自分に合う環境(会社)を見つけること
  3. 自分に合う環境(会社)で求められる「スキル」を磨くこと
  4. Kaienでの模擬職場を通じて「チームで働く」経験を積むこと
  5. 1〜4の成果について、面接で自分の言葉で伝えられるようになったこと

Kaienで習得したもの

障害者雇用での就職活動を行う中で気がついたのは、意外にも上の層のことだけでなく、下の層のことを面接官からとても深く尋ねられたということでした。

そこで、前編である今回は、

  • 1章:最も重要な「障害理解」で土台作りをする
  • 2章:「自己理解」を深め、自分に合う環境(会社)を見つける
  • 3章:自分に合う環境(会社)で求められる「スキル」を磨く ~登竜門編~

についてお伝えしていきたいと思います。

3章ではKaienの短期プログラムであるIT登竜門とデザイン登竜門を受講した体験談についても触れているので、興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。

1章:最も重要な「障害理解」で土台作りをする

クリエイティブ職でも、スキル < 障害理解

今回の就職活動で私が最も驚いたのは、
「デザイナーやエンジニアの求人だからといって身に付けているスキルが最も重要視されるわけではない」
ということです。

特に、私のように応募必須項目に【経験者のみ】という記載がない障害者雇用のクリエイティブ職求人を受けた場合は、自身の障害理解を十分に行うことこそが内定への近道でした。

障害理解を深めた生活訓練

私は就労移行支援に入る前に、まずKaienの生活訓練に入所しました。
生活訓練とは、今すぐに就労を目指さない方が、まずは体調や生活習慣を整えること、障害理解や自己理解を深めることを目的とした障害者支援事業所です。

▶️生活訓練について詳しく知りたい方はこちら

大学を中途退学してから毎日決まった時間に起床することや外出することがなかった私は、まず体力をつけて週5日通所することを目標に、就労移行支援ではなく生活訓練への通所を選びました。

生活訓練では、午前中に「感情コントロールやストレス対処などの障害特性理解講座」「料理や掃除などの生活スキル講座」といった講座を受講し、午後にマイプロジェクトとして自分で課題を設定してその課題に取り組み、毎週金曜日に全員の前で発表を行います。私の場合は、「睡眠障害への対策と実践」プロジェクトや、「幼少期から現在までの障害特性の洗い出し」などを行いました。

ビジネススキルを学ぶことや模擬職場での経験を積むことももちろん大切ですが、
生活訓練での『自分が躓いた原因に向き合い、対処法を学び、実践する』という経験は、私の大きな土台になり、その後の就職活動を支えてくれました

2章:「自己理解」を深め、自分に合う環境(会社)を見つける

私は高校でも大学でも、自分が無理をしてでも普通に合わせたり環境に合わせることが必要だと思い込んでいました。
しかし、障害理解を深める中で、
無理をして合わせていたことで、段々とズレが出始め、体調を崩すことを繰り返していたことに気付きました。

このことに気が付いてからは、自分が無理をして環境に合わせるのではなく、自分が無理をしなくてもいい環境を探すことが重要であると考えるようになりました。

そこで、以下のような図を作成するといったマイプロジェクトを行い、自分に向いている環境や職種を整理していきました。

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図2 マイプロジェクト「好き嫌い/得意苦手から職業を探してみよう 」で作成した表

このような自己理解を深めていくなかで、自分が無理をせずにいられる環境(会社)を探すことができれば、私でも安定して働きながら社会参加や社会貢献ができるのではないかと、少しずつ就労に向けての自信が付いてきました。

3章: 自分に合う環境(会社)で求められる「スキル」を磨く ~登竜門編~

IT登竜門とデザイン登竜門への挑戦

就労に向けての自信が少し付いた私は、8ヶ月間通所した生活訓練から就労移行支援に移籍しました。

生活訓練で自己理解と障害理解についてはある程度出来上がっていたので、就労移行支援ではビジネスに必要なソフトスキルやハードスキルの習得に重きをおきました。そこで、就労移行支援ではデザインやITについて専門的に学ぶことができるクリエイティブコースに入ることにしました。

大学がデザイン系の大学だったこともあり、昔から漠然とデザイン系の職種には興味がありましたが、大学を中途退学していて専門スキルは乏しいことや、未経験からデザイン系の職種に就くことは難しいと聞いていたため、具体的な職種については迷っていました。

そんな中、ITパスポートの勉強中に擬似言語の問題を解いていた時に「意外と面白いかも」と思ったことがきっかけで、講師から勧められてエンジニアを目指す方向けの短期プログラムであるIT登竜門を受けることにしました。

学生時代は完全に文系だった上に情報処理の勉強は全くしたことがなかったため、最初は付いていけるのか不安でいっぱいでした。

今までの私であれば、質問せずに一人で悩んだり、発表には挑戦せずにただ見ていたりしていたと思います。
しかし、生活訓練での自己開示の練習や、毎週のプロジェクト発表を行う経験を積み、自分から発信をすることの重要性に気づいたことで、IT登竜門でも恥ずかしいからと躊躇せずに質問をたくさん行ったり、発表に積極的に挑戦したりし、同期の受講訓練生とコミュニケーションを取ることを心がけました。

そうして1ヶ月間毎日講義を受け、「ゲームプログラミング」「Webデザイン」「DX(業務改善)」などの課題に取り組んだことで、結果としてIT登竜門の講師から高い評価をいただくことができました。
IT登竜門をやり切ったことで、全く未経験でもIT系の職種を目指すことができるんだ!という自信になりました。

IT登竜門に続いてデザイン登竜門も受講しました。
デザイン登竜門では、使用経験のあるPhotoshopやIllustratorを学び直したり、使用経験のなかったIndesignやPremireProを新たに体験したりすることができ、デザイン職への想いがより強くなりました。

▶️IT登竜門・デザイン登竜門について詳しく知りたい方はこちら

IT登竜門とデザイン登竜門を受講したことで、

  • WebサイトのデザインやHTML/CSSを使用してのコーディング
  • IllustraterやPhotoshopを使用したグラフィックデザイン

に興味があるということがわかり、そういった業務がある求人で求められているスキルを勉強することにしました。


前編はここまでです!

来週の後編では、具体的にどのような訓練を行ってスキルを磨いたかについてや、就職活動の準備から面接、内定までの道のりを詳しくご紹介します!