実習体験記~「〇〇にはならない」が基本方針~
お久しぶりのKaien代々木所属のTでございます。この度、私は就職が決まりました。
来月から勤務ということになるのですが、それまでを振り返って何か書けと編集部から最後の命令が来ました。
さすがに「できない!無理!」と言い続けて最終日を迎えるのはいささか寝覚めが悪そうなので心に思ったことやその時に考えていたこと、
今後就職活動を行う方へのアドバイスなどを、徒然なるままに書いてみます。筆が滑ったら・・・笑って許してくださいまし。
1.正攻法とは何なのか。
Kaien代々木に参加して1年が経過するかと思われる頃、「そろそろ障碍者就職面接会に参加してみては?」とのアドバイスが面接でありました。
それまでも履歴書・職務経歴書作成開始はしており、作成しながら申し込んだ会社のうち、
一部の一般企業から依頼のあった面接等も行っていました(そして面接で落ちてました)が、障碍者雇用での活動は実はこれが初めて。
この時には「どのような就職先に就きたいか」を最初に考えるように指導がありましたが、まずはそれが問題に。
20とX年にわたる仕事は常に「何ができるか」から考えて就職してきただけに、やりたいことは浮かべどもしている自分が思いつかない。
また、この駄文のような(書いた時点での話です。皆さまが読む頃にはスタッフ各位の力で名文になっていると思います。)
コラムをブログ作成チーム時代には書き飛ばしておりましたが、そのノリで出版業にいけるかと言われると流石に無謀だということもこの歳になると流石に承知しております。
こうやって改めてやりたいことが無いか考えてみると、意外とやりたいことは無い自分に気が付きました。
「これはまずい」と思いましたが思いつかないものはどうしようもない。
正確には無理やり作れば幾らでもできるが面談で聞かれなければ考えられない。
ということで考えを変えて「何はしたくないか」を考えてみることに。
これはもう自分でも明白。システム関連の知識はあってもこれまでの就職先で痛い目にあっているのでシステム屋はやめておこう、となりました。
かくて「業務は会社ごとに合うものを作成する」「SEにはならない」が基本方針となった訳ですが・・・本当に大丈夫か?これ・・・
一般的には「~がしたいからこの職場を選びました」とか言うのではないか?
本当にこんな方針で大丈夫? とりあえずの方針が定まったところで、ちょうど月末に障碍者就職面接会がありました。
対策を練って参加する・・・うーん、想定問答がバラバラ過ぎる!
希望業種としてはできればクリエイター、実際に今までどおりできる職種で生産管理、滑り止めにシステム管理とかなりバラバラ。さて、どうしよう?
2.ろくでなし、三つは止めおき 二つなり
希望職種の「生産管理」「クリエイター」そして追加で滑り止めの「SE職」が基本方針となりました。
面接ではこれら三つの業界それぞれの方針に合わせた志望動機とそれに付随する想定問答を作成するのですが、
こと障碍者就職面接会に関して言えば時間制限が厳しいため、一般的な質問にのみ絞った方がいいとのアドバイスがKaienスタッフからありました。
それに従って考えてみたところ、問題となるのはまず「どのような質問がある」か、
次に「それらのうち、共通の質問は何」かの二点となりました。
これらを前提にしてKaien代々木の講師・スタッフとも相談を重ねた結果、
共通の質問は「前職を辞めた理由は何か」「障害の状況及び対処はどのように行っているか」に絞って考えるべきという話になりました。
なお他にもありそうな質問としては「これまでの経歴で印象に残ったのはどんな仕事ですか」「通勤はどの位かかりますか?」等幾つかあったのですが、
汎用性に欠けることや書かなくても咄嗟に答えられそうな質問だったので、これらは自分のアドリブ回答力に任せることにしました・・・
アドリブ力に自信が無いのに大丈夫か?
兎にも角にも、セットアップが済むとほぼ日を同じくして面接会は来てしまいました。
そして、ついに来てしまった面接会当日。
兎にも角にも面接は数をこなす、と方針を決めていただけあって、
「まず全体を見て、訪問が少ない会社から面接を受ける」と最初から考えて、会場を視察した上でどこから回るか、
どのルートが一番効率的に回れるかを考えていました。
訪問が多数の応募者で詰まっている会社を先にすると待ちが長くなる分、受けられる数が減りますのでこれは絶対です。
あと、休みはできるだけ取らないように心がけました。待っている間に休みは取れる。
これら2つの方針をもとにして活動した結果・・・3時間半で7社の面接が行えました。
あとで他の人の話を聞いたら、大体4社程度でした。個人的には1時間近く待った会社が一つあったので、もう一つ増やせたかと思っております。
7社の回答は最終的にはほぼ3週間で来ましたが・・・1社以外はまさかの全滅。
しかし私は後のことを常に考えて動いていたのです。珍しいとか言わないでくださいまし。
面談の数日前に、マイナーリーグで某企業の面接を申し込んでおいたのですが、大変ラッキーなことにこちらが通過しておりました。 すんなり進むと思った?そんな訳は無い!
3.豚は死・・・にたくなければ金を払え。
オンラインでの一次面接に続き、2次面接は会社に赴いての面接。このときにはKaienスタッフと共に企業に伺い、面接をしました。
この、面接を自分以外の面接者を伴ってということですが、面接自体については意外とあてにはなりません
(元々当てにはしていませんでしたが、最低限のコメントのみ)。
ただし、自分以外の視点からのコメントがどのようなものであったかを述べてもらうということや
今後面接で気をつけるべきことは参考になったので、できるのであれば1回位はやっておくべきかとは思います。
向こうからの質問については想定問答でほぼクリアできていたと思いますしアドリブ対応にも問題が無かったようですが、
こちらからの質問について問題点があったのでこの後の面接(この会社の後も一般企業の面接が数件控えておりました)では注意するようにとのこと。
2次面接も無事済みました。幸いクリアできたので、次に来るのは一般企業では恐らくほとんど無いであろう実習です。
これについては周りの人間は当てにならないので、できることだけ気を付けておこう、ということで
見えること=服装は大丈夫か?鞄は問題無し?スーツにYシャツ、ネクタイ、それに革靴は普通に持っております。問題無し!・・・とは行きませんでした。
体形が変わっているんですよ。10Kg以上増えちゃってすっかり太ましく・・・5年前の自分から「豚!」と直球の非難が聞こえます。
ということで、服を何とかしなければ。幸いズボンはタックを取れば何とかなりました。
ズボンはこういう時に備えて、ファストファッションでは無いものを数点ほど持っておけばこういった事態にも対応できて安心です。
ファストファッションでは省略されている部分、例えばタックやベンツが多少のサイズ変更に対応できる程度には余裕がある設計になっております。
サイズ変更を店でやることになっても、品物がかえってくるまでの時間は慣れた店であれば1週間もあれば十分です。
問題はYシャツ。これはサイズ調整ができないので、慌てて紳士服チェーン店に走って、きちんと首周りが合う物を購入です。
これは値段もそんなにしないので、素直にファストファッションのお店にお布施をしてサイズのきっちり合うものを購入しましょう。バーゲン時を選べば2000円ちょいで買えます。
鞄と靴ももちろん持っております。これらもサイズが変わることは無いため一つきちんとした物があればOKです。
鞄はちょっとサイズは大きめのものを選んでおけば、どんな職場(製図を伴う職場など)でもきちんとした鞄一つとあとそこに合わせた何か
(PCなり図面ケースなりといったそれなりのもの)を持っていけば大丈夫だと思います。
ダメな場合があったら・・・笑ってごまかすさぁ。
4.かくて企業に飼いならされる。
いよいよ実習本番です。ここで常に気にして行動したのは以下の点。
「①求められたことについてはきちんと話すが、余計なことは話さない」
「②他の人の話をまずは聞く」
「③Kaien以外の就労移行支援施設の人が普段何をやっているかは注意深く聞く」
「④率先して話す」
でした。
ちなみに
事前に考えていたのは②と③、行った初日に追加したのが①、④です。
まず、①は前半は当然と思う方も多いでしょうが、「余計なことは話さない」というのを気にする人は意外と少ないです。
でも、これを一人一人がやったら仮に1分オーバー×5人の場で5分休みが無くなります。 これは決して少ない時間ではありません。
こういったことを考えると、何かを問われたとき、必要な回答以外の余分な内容を自分から話せる状況は予想以上に少ないと思います。
また②については「積極的に話した方が印象はいいでしょうに、何で④の『率先して話す』を先に持ってこないの!」と言う方も多いかと思います。
でも考えてみてください。最初に話せるのは一人だけです。
こう考えれば最初に挙げた「余計なことを話さない」と合わせると、率先して話すべきという意見は順位が下がります。
時間は誰に取っても無限にある訳では決してないのです。これは①と併せて入社後にも役に立つ考え方です。
上司も同僚も学校ではないのでそれぞれの仕事を持っています。時間区切りで無理やり会社に居なければならない訳ではないのです。
まあ、時間が限られている中で誰も発言者がいない場合は積極的に発言する必要があるなど、その場に合わせたアレンジはそれなりに必要ですが。
③「Kaien以外の就労移行支援事業所の人が普段何をやっているかは注意深く聞く」は、単なる私的な好奇心だけではありません。
就労移行支援事業所は多数あるので、それぞれの事業所でやっていること以外で何をやっているかは意外と目が行かないものです。
他の施設で何をやっているかを知れば、自分に不足しているものが何であるかが普段の自分とは別の視点から見られます。
私は参加者のうち過半数はKaienだったため「Kaien以外の就労移行支援事業所から来ました」
という人に特に積極的に話しかけ、情報を得るようにしました。
他の就労移行支援事業所では普段何を行っているか(主に自己分析が多いそうです)聞けたので、
「自己分析をより細かく行い面接に臨む」というKaien帰所後の方針が定まりました。
また、就労経験があるのは恐らく彼だけだったので、業務を今までどのようなことを行ってきたか
という経験を聞くのは個人的な関心もあり、楽しいものでした。
ようやく④ですが、既に大体の注意点は語っております。上記を踏まえた上で積極的に話すということを行うのがベターかと思います。
できるだけ簡潔に、自分は切り札(ジョーカー)だと思っておくことを忘れずに。たまにしゃべるからこそ人はそれを貴重だと思うのです。
電車の話や好きなアニメの話(信じられないでしょうが居たんだ、こんな話をする奴も)など、就職後に幾らでもできますから。
これらを心がけたら、実習なんて割と楽に済む・・・と思いますよ。ダメだとしても次がある!」・・・
これも重要な心掛けだと思うんですが、幸い実習があったのは1社で済んだのでこれを言い切ることはしないで筆を置きます。
ではでは皆さま、Adieu!